《ラバーソールと若者文化》歴史は50年代 不良少年「テディボーイ」から始まった

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ラバーソールという名前の通り、ゴムのソールを使用した厚底のシューズがある。現在の日本ではビジュアル系やロリータファッション、パンクファッション等に用いられている。

イギリスのGEORGE COX(ジョージコックス)社が1949年にBrothel Creeper(ブローセルクリーパー)という名前で開発したのだから60年以上の歴史となる。現在では他ブランド等でもラバーソールと呼ばれるシューズは販売しているが、本物志向ならジョージコックス製だろう。

紳士靴ではグッドイヤーウェルトとマッケイという製法があり、ラバーソールはグッドイヤーウェルト製法で作られている。

出典:

出典:GEORGE COX

50年代、ロンドンの不良少年『Teddy Boys』(テディボーイズ)達に好んで履かれた。※通称テッズ

テディボーイズはエドワードジャケットに細身のパンツ、ラバーソール、ヘアスタイルはリーゼントというのが基本。女の子達はペンシルスカートやフラットシューズなんかで、やはりリーゼント。初期のロカビリーファッションというとイメージがしやすいのではないだろうか。

少し面白いのが、労働者階級の若者が王族のファッションを真似たジャケットをオーダーメイドして作っていたというところ。イギリスのサブカルチャーには度々こういうものが出てくる。「労働者階級だってなめんなよ!」「認めろよ!」なんて主張があったのではないかと個人的には思う。とにかくファッションに精一杯お金をかけていたんじゃないかなと。

ロックンロールでツイストをみんなで踊りまくる。ラバーソールは靴底には滑り止めのギザギザが無くちょうどいい感じにツイストできたんじゃないかな。でもそれなら革底でも……それは滑りすぎるとか……。ジョージコックスがどこまで狙ってこのシューズを作ったのか、はたまた、ただ単に静かに歩ける柔らかいゴム底を作ったのかはわからないが……。

そしてその後もモードの世界で、70年代後半の『SEX PISTOLS(セックスピストルズ)』におけるパンクムーブメント、80年代の『Stray Cats(ストレイキャッツ)』におけるロカビリーリヴァイバル(ネオロカビリー)等々、幾度となくラバーソールはサブカルチャーの必需品として愛され続けている。

ちょっと足が長く、背が高くなれるのがいいのかも。

この先、ラバーソールを基本とした新しいファッションがまた産まれるのか、それともテッズやパンクファッションのリヴァイバルがあるのかわからないが、きっと何かしらの形で残り続けるであろう。

個人的には、あえて本革を使わずこの先も永遠のアイテムとしていてほしいと思う。昔、ブルースエードのラバーソールほしかったなぁ。あとハイカットのやつも。

ちなみに私は白のジョージコックスと黒のジョージコックスと一足ずつ持っていた。履かずにずっと置いておくと床によってはラバーが溶けるのか、張り付いちゃう場合がある……。そうならないためにも、たまには靴のお手入れを。

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光田拓未

modernedge records(インディーズロックレーベル)代表。BAND活動にて音源リリースや日本各地、UKや韓国などでもツアーを行った経験を持ち、100回以上ものライブイベントを企画。又、音楽雑誌でのライターの経験もある。音楽を通じたサブカルチャーやファッションなどを得意とし、探求している。