ファッションカルチャーを伝えていくにあたって、いくつかの専門用語が一つのモノの歴史を説明する際に、壁になる事を感じる今日この頃。何故ならここでは”興味を持つ”、”深く掘り下げる”という部分の「きっかけ」や「入口」を作りたいと思っているからである。難しい業界専門用語を並べられては、折角の「きっかけ」は掴み損ね、「入口」は通り過ぎていってしまう。
しかし、この”ワード”をわかってくれていたら「この記事書きやすいんだけどな」ってな事もある。という訳でキーワードになっていく専門用語も簡単に説明しようと思う。
今回は伝統的な英国ロイヤルワラントについて書かせていただこう。
英国ロイヤルワラントとは
英国の文化を調べていると必ず出てくるのが「ロイヤルワラント」(ROYAL WARRANT)という言葉だ。これは日本で言う「皇室御用達」と同じようなものと思ってもらえばわかりやすい。ロイヤルワラントは英国に限らず、他の王室のある国でもあるのだが、今回は英国のロイヤルワラントについて。
この英国ロイヤルワラントはとにかく幅広く、ファッションブランドからショップ、デパート、車、個人、ありとあらゆる物がある。勿論、厳密な審査があるのは言うまでもない。
ロイヤルワラントに認可されると紋章が与えられる。この紋章をロイヤルアームスという。この紋章は現在、三種類ある。
なぜ三種類あるのかというと、認可できる王族が3人いるからである。エリザベス女王、エジンバラ公、チャールズ皇太子の3人。この3人がそれぞれに紋章を持っている。
- 1974年~エジンバラ公
- 1982年~エリザベス女王
- 1987年~チャールズ皇太子
3つのロイヤルアームス(紋章)が与えられているモノ(企業)は、現在20にも満たない。5年ごとに更新・審査され、認可もあれば脱落もあるという厳しさだからである。
バーバリー(Burberry)のトレンチコートや、ハンター(HUNTER)のレインブーツ等は日本でも一般的に馴染みがある。バブアー(Barbour)のオイルドジャケットは、数少ない3ワラント(全てのロイヤルアームスを揃えている)数少ないブランドの一つである。
ちなみに日本の皇室御用達、宮内庁御用達と言うのは厳しい審査基準があるわけではなく、むしろ1度皇室に使用された事などから勝手に名乗っている所も有るらしい。
英国ロイヤルワラントは約800年も前から今まで続く伝統がある。1度その名誉を受けていた時代のモノを手にしてみたり、現在ロイヤルワラントの紋章、ロイヤルアームスの付いたモノを調べて探し、手に取ってみればロイヤルワラントの品質や価値がわかるかもしれない。ロイヤルワラントと検索すればいろんなモノがわかると思う。
一生使える良いモノ、手にした時の充実感、はたまたドッグフードなんかでもあるようなので”モノ”にこだわる人は是非1度。