モッズと言えば象徴するマークにターゲットマークがある。なぜモッズはターゲットマークなのだろう。ちなみにモッズについて知りたい人は、以前書いた「Mods(モッズ)とは」を参照してほしい。
実はターゲットマークは元々イギリス空軍「Royal Air Force」のマークであり、空軍の飛行機に着いているマークなのである。これをモッズバンドであるThe Whoがロゴ等に多様した事により、モッズ達もこのターゲットマークを愛用したとされている。
では何故The Whoはこのマークを使い始めたのか。
ここからは私の推測。若き頃というのは軍モノに強さやカッコよさを感じるというのもあったのではないだろうか。軍モノがファッションの中で度々注目されるのはそういう点と、質や機能性が高い点ではないかと思う。
ターゲットマークがイギリスの国旗とおなじ赤青白の3色だとする部分もあるのかな。あとはMy Generationという歌を歌ったThe Whoは、やはり自分たちの時代、世代を中心に、世の中が回っているという意味を込めて、俺達がターゲットだ。という意味が一番あったのかなと。日本語で言うと「注目の的になる」みたいな。
シンプルでわかりやすいし、インパクトも充分なターゲットマーク。カッコよさ、そして可愛さもあるんじゃないかな?
ちなみに、2003年に特許庁に空軍がこのマークを空軍の販売する服飾グッズの特許を出願したらしいが、ファッショングループ「アーカディアグループ」が、“これはモッズ達の象徴のマーク”だと反論。なんと商標登録所は「このマークはモッズムーブメントによって広まったものであり、空軍を連想させない」とした。ただし、ファッショングッズ以外のものでの使用権利は空軍に権利があるとされた。という驚きの結果。
いかにイギリスがサブカルチャーを大事にしているかがよくわかる話であり、モッズムーブメントがいかに大きかったか、というものがよくわかる話である。
ちなみに、イメージの強いパンクムーブメントは海外では結果的に大きく知られていったが、当時のイギリスでは小さなものだったとされている。