【FRED PERRY】フレッドペリー、ポロシャツの歴史

FREDPERRY フレッドペリー

いよいよ夏ということでTシャツもいいけど、ポロシャツもいい。では、ポロシャツの定番「FRED PERRY」(フレッドペリー)について少し。

その前にポロシャツとは、その名の通りポロというスポーツから始まっているのだが、テニスプレイヤーが着用するようになって広まったとされている。フレッドペリーの創設者はテニスでグランドスラム達成。ウィンブルドン三連覇の偉業を成し遂げたイギリスはストックポート出身のフレデリック·ジョン·ペリー。

実はこの方、20歳頃には卓球で世界チャンピオンになってからローンテニスを始めたらしい。どっちもチャンピオンってすごい。そしてテニスを始めて約10年、30歳頃には肘の骨折で引退。

何となくフレッドペリーってポロシャツが最初だったのかなぁ。と私のイメージで勝手に思っていたのだが、最初(1939年)はスウェットバンド(リストバンド)を製造。この時からフレッドペリーという名が付けられたのだ。

1952年にFRED PERRY SPORTS WEAR社を創設。あのローレルのマークを付けたホワイトポロが製造される。その後、多数のアイテムが発売されていくがテニスウェアとして発売された為、白を基調としたものが殆どであった。テニスを知る人はこの意味がわかると思うが「ウィンブルドンは白いウェアを着用しなければならない。」という独自の大会規定がある。そういう所から白を基調とした物が多かったのであろう。

60年代に入るとテニスウェア、スポーツウェアと唱えつつ、ニットポロやトラックジャケット(ジャージの上着)等も増えた。カラー展開も少し増え、広告等もスボーツをイメージするものから、そのイメージは残しつつも、モデルらしき人達が着こなすようになっていった。

70年代に入るとウェアだけでなくシューズ展開も始まり、トータル的なスポーツブランドとなる。そしてスキンヘッズやネオモッズムーブメント等のサブカルチャーと結びついていく。ネオモッズバンド「The Jam」(ザ・ジャム)のポールウェラーが着ていたのも大きく影響があったと思われる。

80年代には柄物やカラー展開が更に豊富になり、トラックスーツ(ジャージのセットアップ)やカジュアルなワンピース等デザインが豊富になり、スポーツブランドとしてだけではなく、ファッションとしての取り入れられる事が多くなっていった。

90年代に入ると定番のラインポロシャツやVニット等のアイテムがヴィンテージファッションアイテムとして取り上げられ、日本でも多く70年代や80年代のアイテムが出回っていった。

2000年代、完全なるファッションブランドとしての展開を始め、トップブランド、デザイナー、スタイリスト、ミュージシャン、等とのコラボレーションをし、パリコレ等でも注目を集める。

ブランド化されていった為、この頃に一気に価格が上がっていった。私の感覚では90年代中盤に比べると2005年頃から2010年頃で倍、もしくは3倍ほど価格が上がったように感じた。今後も定番アイテムは何度も注目されていくであろう。

FREDPERRY フレッドペリー

上から90年代後期のグリーンラベル。90年代頃からSPORTS WEARの表記が無くなりファッションブランドとして確立されてきた事がラベルからも見受けられる。

真ん中は2000年代前期のブルーラベルで、60年代後期~70年代前期の復刻版。実際の物は1枚のラベルでサイズ表記はS,M,L等ではなく、インチ表記である。この頃のファッションがヴィンテージ志向が高かった事がわかる。ちなみに50年代から60年代はグリーンラベル、60年代から70年代前期はMADE IN ENGLANDではなく、MADE IN BRITAINになっている。

この頃GB(GREAT BRITAIN いわゆるイギリスの事でイングランド、ウェールズ、スコットランドというグレートブリテン島を1つの国家としたもの)という文字を、車やバイクに書いたり貼ったりしてる所を写真で見るが流行りがあったのかなぁ。

下は2000年代後期以降の物。イングランド製はこの頃からサイズ表記をインチ表記に戻している。ラベルからも時代背景やイギリスらしい遊びへのこだわりが見えて面白いですね。

襟と袖にラインを入れたポロシャツはフレッドペリーが元祖(※記事最初の写真参照)。やはり私はフレッドペリーと言えばポロシャツ。だと思う。きっと、あのローレルのクールなシンボルが男女共に愛されるデザインである事、ポロシャツがタイトでシンプルなデザインに作られた所が長く愛された所なんじゃないかなと思う。

FREDPERRY フレッドペリー

上記写真は家にあったポロシャツ以外のフレッドペリー。(預かり物も含んでいます)右下のブルーのトラックウェアはラベルから見ると70年代のイングランド物と思われる。22年前に古着で買ったもの。

FREDPERRY フレッドペリー

リプトンに付いていたロンドンオリンピックの記念なのかな?BE@RBRICK×FRED PERRY60周年
左上/MODS、右上/2TONE、左中/PREPPY(学生のお坊っちゃんですね)、左前/TENNIS(ここにテニスを入れてきた所が創設者へのリスペクトですね)、右中/SKINS、右前/UNION JACK

この為にどんだけリプトン飲んだものか…これ並べるのにどんだけドミノのように倒したか……。

今思うと、10代の頃に集めた70年代のアイテム、あげたり捨てたりせずに取っておけば良かったなぁと……。せめて写真でも撮っておけば資料になったのになぁ。

せっかく手にするなら『MADE IN ENGLAND』を着て、気取ってほしいと思う(笑)

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ABOUTこの記事をかいた人

光田拓未

modernedge records(インディーズロックレーベル)代表。BAND活動にて音源リリースや日本各地、UKや韓国などでもツアーを行った経験を持ち、100回以上ものライブイベントを企画。又、音楽雑誌でのライターの経験もある。音楽を通じたサブカルチャーやファッションなどを得意とし、探求している。