2歳のやんちゃ坊主の『心室中隔欠損症』

心室中隔欠損症 乳幼児 幼児 母親 経験談

待ちに待った第一子の誕生。忘れもしない人生で一番痛みを経験し、この上ない感動を味わった日でした。健康優良児で産まれた男の子。正直可愛さはもちろんですが、命を預かったプレッシャーがのしかかった何とも言えない気持ちが押し寄せてきました。その日から無我夢中で1日1秒過ごしました。

生後2カ月の時、初めての予防接種を小児科に受けに行きました。先生に聴診器を胸に当てた時に、「お母さん、びっくりしないでね。大きい病院に紹介状を書くから行ってみてほしい」、そう告げられました。帰りの車で子供に聞こえない様に声を殺して泣きました。

先生は心臓に”雑音”が聞こえるとしか言わず、それ以外は「まだ確実じゃないから」とだけ言っていたので、その日から総合病院に行くまでネットで調べると同時に、「間違いだよね」と思う気持ちもありました。しかし日に日に不安は大きくなり、夜子供の寝顔を見ながら涙を流すこともありました。

結局息子は「心室中隔欠損症 (しんしつちゅうかくけっそんしょう)と診断されました。簡単にいうと”心臓に穴が空いていた”のです。100人に1人と言われているようです。

この病気の子が風邪をひくと重症化しやすいとの事。息子はこの年の冬から春先まで月1回シナジスというRSウィルスの予防接種を受けました。筋肉注射で太ももに打つのですが、痛みが相当強いのか接種後は大泣きしすぎて顔に内出血の跡が残るほどでした。毎日風邪をひかない様に、人混みの中への外出は控えたり、温度調節は非常に敏感になっていました。その甲斐あってか手術後まで風邪をひかずに済みました。

病気発覚から3か月後の生後5か月の時にカテーテル検査を受けることが決まりました。検査を行い、実際の穴の状態を見て手術の日程等を決めるとの事でした。生後間もないと体力がなく手術のリスクが高まり、さらに病気の影響で負担がかかっていた肺。肺が手術に持ちこたえられるギリギリのところまで待ってから手術に踏み切るそうです。

 
カテーテル検査を終え、結果的に5mmの穴を確認。検査終了後から利尿剤のラシックス、アルダクトン、レニベースの服用を開始する事になりました。完全母乳の私は、乳首に少量で練った粉薬を塗りつけ子供におっぱいをあげました。

生後7ヶ月の時にやっと手術をする事が決まり 、手術入院するも前日の採血にて肝臓の数値が平均の倍以上もある為、急遽延期に。外来にて詳細を見るとの事で一旦退院し、経過観察をする事になりました。経過観察するも、肺にこれ以上負担はかけられないとの事。肝臓の数値は下がらないままでしたが、 生後10ヶ月 やっと手術をする事に決まりました。その時の体重は7200g。利尿剤を服用したせいか、生後7ヶ月からほぼ体重は増えていませんでした。

肝臓の機能を改善する薬を投与して手術に挑みました。無事1日前には肝臓の数値は下がり無事に手術は終了しました。 穴は7ミリ、もうひとつ小さい穴も開いていた様で、一緒に閉じて頂きました。

産まれてから手術まで風邪には人一倍気をつけていたおかげか、病気ひとつせず手術までこれました。入院中も点滴をつけた腕から動きすぎて出血したり、つかまり立ちがまだ危なっかしい息子が頭を打たないかヒヤヒヤでベッドの上で動き回る息子から一瞬も目が離せませんでした。

初めての子供で心疾患の診断を受けた時には大号泣。手術までもたくさんの涙を流しました。
あるサイトで『親が笑顔をなくす事が一番ダメな事』とおっしゃっていたのを聞いて、私は気持ちを切り替えました。 「なんでうちの子が……」と思う時間は”息子と一緒に笑う時間”に切り替えましょう。その一瞬も間違いなく子供は成長しているのだから。辛く思う時は思いっきり泣いて、そのぶん子供を力一杯抱きしめてあげましょう。病気に対して出来ることは本当にわずかなんだから、親だから出来ること、親にしかできない事を精一杯やってあげましょう。

 
うちの息子も今では2歳になり、やんちゃ盛り、口を開けばイヤイヤとイヤイヤ時期真っただ中ですが、心疾患があったとは思えない位元気に過ごしています。定期的な診察は受けていますが毎回問題なくいずれ定期健診も卒業予定です。子供も病気を乗り越えた様に、親も一緒に乗り越えるんです。心配していた手術の傷跡も、今の技術はすごくてとても綺麗になってきています。年頃を迎える頃には気にならないほどになっていると思います。

今は当時できなかったテーマパークやショッピンセンターなど当たり前に行ける所へ行き、楽しんでいます。大丈夫、きっと大丈夫。私自身自分に何度も言い聞かせていた様にあなたもきっと大丈夫だから。

同じ悩みをもっている皆さんが少しでも救われますように。この記事を執筆しました。

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