ビーチサッカーの現在
日本のビーチサッカー界は2017年、公益財団法人日本サッカー協会の加盟団体である一般財団法人日本ビーチサッカー連盟のもと全国9地域に地域ビーチサッカー連盟が設立され、公式リーグ戦(公式リーグプレ大会含む/北海道リーグ、東北リーグ、関東リーグ、北信越リーグ、東海リーグ、関西リーグ、中国リーグ、四国リーグ、九州リーグ)が行われている。近い将来には全国リーグが行われるようになるのではないかと思う。
現状、大規模な全国大会は年2回。一つ目は各地域の全国大会予選を勝ち抜いたチームが出場する、日本サッカー協会主催の「全国ビーチサッカー大会」。もう一つが全国の各地域リーグの優勝チームが集う、日本ビーチサッカー連盟主催の「地域リーグチャンピオンシップ」がある。
今年からは、J2東京ヴェルディ傘下の東京ヴェルディBSが関東リーグに参入し、先日行われた全国ビーチサッカー大会で優勝。
まだ発展途上のビーチサッカーにおいて、このように知名度も人気もあるJクラブ傘下のチームが増えてくることは良い流れだと思う。このようなチームが継続して活動していけるビーチサッカー界にしていきたいと思っている。
又、世界では毎年ビーチサッカークラブチーム世界一を決める「世界クラブ選手権」も行われており、今後その大会を目標とする日本のチームも出てくるのではないだろうか。
海外にはビーチサッカーのプロリーグがあり、各国のリーグを渡り歩いて高い収入を得ているプロビーチサッカー選手達がいるのだ。
日本のビーチサッカー
日本ではまだプロとして活動するビーチサッカー選手はほんの一握り。ほとんどの選手が練習以外の時間に別の仕事をして生計を立てているのだ。
ビーチサッカースクールを行なっているとたまに「コーチみたいにビーチサッカー選手になりたい!」と言ってくれる子ども達がいる。めちゃめちゃ嬉しいのだが、心から後押しできない自分もいる。
ビーチサッカーは本当に最高のスポーツなのだが、まだまだ環境が整っていない。その環境を作っていくのが、今ビーチサッカーに関わっている私たちの使命なのではないだろうか。
今の現状で子ども達が「僕は将来ビーチサッカーの選手になる!」と言ったら、もしかしたら誰かに否定されて悲しい思いをすることもあるかもしれない。
私が行なっているビーチサッカースクールもあくまで目的は“サッカー上達のため”。ただこのビーチサッカースクールも今後「プロビーチサッカー選手育成のためのスクール」と、うたえるような日がきてほしいとも思う。
それは誰か一人が、がんばってどうにかなるものではない。だが幸いにもビーチサッカー界には日本全国に熱い情熱を持った多くのビーチファミリーがいる。
今後ビーチサッカー界全体で協力し、しっかりとした仕組みを作り、子ども達が胸をはって『将来ビーチサッカー選手になる!』と言え、周りの大人達もそれに賛成し心から応援できるようなビーチサッカー界にしていくことが私の最大の目標だ。
みなさんまずは是非一度ビーチサッカーの試合を観に来てください!
4週に渡りお読みいただきましてありがとうございました。
【プロフィール】鈴木俊多 – Shunta Suzuki –
元ビーチサッカー日本代表
2011年、FIFAビーチサッカーワールドカップ イタリア大会出場
現在、磐田を本拠地に活動するビーチサッカーチーム「Club AREIA」(クラブ アレイア)」の代表兼選手として活動中。2016年、2015年と2年連続で東海地区代表として全国ビーチサッカー大会出場。
2年連続東海ビーチサッカーリーグ得点王。
日本ビーチサッカー連盟HP:http://jbsf.or.jp