<あなたの思う「音楽の街」とは?>「世界音楽の祭典 IN 浜松」にみる浜松市

世界音楽の祭典 The World. Music Festival in. HAMAMATSU

2016年11月3日より浜松市で「世界音楽の祭典 IN 浜松 (The World. Music Festival in. HAMAMATSU)」がアクトシティ浜松、雄踏文化センター、浜北文化センター、ソラモ、キタラの会場で開催されている。

イベント概要は”世界音楽を体感する四日間”と題している。平成26年12月に浜松市がユネスコ創造都市ネットワークにアジア初の加盟した。今回の「世界音楽の祭典」にはユネスコ創造都市ネットワーク音楽分野加盟都市のうち13都市から、地域を代表するトップアーティストが浜松に招聘されている。

「音楽の街」と言われている?言っている?浜松市だけに資金面でも力を入れ、このイベントに◯億円が投入されているという噂も……。協賛には浜松市に本社を持つ世界へ名だたる音楽企業「KAWAI」「Roland」「YAMAHA」が名を連ねている。これはなかなかないことだ。浜松市が音楽の街として盛り上がるのには、きっと誰も文句はないだろう。

しかし「浜松は音楽の街」と言っても、若者にはしっくりきていないのが現状だ。浜松市の言う「音楽の街」というのはクラシックや民族、伝統音楽が多いイメージがある。そのためポップスなどが好きな若者たちにとって「浜松が音楽の街」と言っても「そう?全然そんな感じしないけど……。」「金持ちの人達の音楽でしょ?」となってしまっているのも確か。

それでも「音楽」には違いなく、浜松市は「音楽の街」だと言って欲しいし、言っていきたい。そう思う人も多いのではないだろうか。

にしても、今回の「世界音楽の祭典」は、告知が弱すぎではないだろうか。知らない人、知らなかった人も多いはず。開催される前はチケットの売れ行きが心配されていたくらいだ。はっきり言わせて貰えば「そんなの当たり前でしょ!知らないんだもん!」。この時点でこのイベントは大成功とは言えないだろう。無料で楽しめる会場もあるのにもったいない。

このような記事を読み、初めて知った人はすでに手遅れなのだ。素晴らしい音楽がすでに終わってしまったものがあるからだ。もう生で見ること、楽しむことができない。

10月30日にプレコンサートがソラモで開催されていが、その時もすでに素晴らしい音楽はあった。もっとたくさんの人、若い世代にも届けるべきだ。会場は年配の方が大半を占めている。

世界音楽の祭典 The World. Music Festival in. HAMAMATSU

世界音楽の祭典 IN 浜松 プレコンサート「東京パイプバンド」

11月3日は「まちなかコンサート」で、ソラモにインドネシから「TULUS」、リバプールから「Natalie McCool」、サルヴァドールから「Pablo Moraes」が出演した。

世界音楽の祭典 「Natalie McCool」

世界音楽の祭典 「Natalie McCool」

リバプールの「Natalie McCool」の奏でるオルタナティブポップは、めちゃくちゃカッコよかった。会場には趣味のカメラを構える年配者、時間を持て余した年配者など。彼女たちの音楽が1番突き刺さるであろう世代はほぼいない。もちろん音楽に年代世代、国籍が関係ないのは分かるが、若い世代を取り入れようとして彼女たちを招聘したのだったら完全に采配を間違っていた。

同時刻にはキタラの会場では、「青山ばんど」、「奥山尚佳」「チェスマイカ」「BLUE NOTES Orchestra」と地元浜松を中心に活動するアーティストや団体が出演。ゲストではオーストラリアのアデレードより「Golonka」が出演した。

アクトシティ浜松中ホールでは「交流コンサート〈Chorus × Symphony!〉」第1部/女声合唱団,、児童合唱団,、混声合唱団 指揮:佐藤賢太郎、第2部/トンヨン少年少女合唱団, ポーランド少年少女合唱団、第3部/佐藤賢太郎氏委嘱作品世界初演 指揮:佐藤賢太郎 浜松交響楽団, ジュニアオーケストラ浜松, 浜松市民合唱団

浜北文化センターでは、「加羽沢美濃」「ピアニスターHIROSHIMA」「The Frank Nuyts Ad Hoc Ensemble」。

雄踏文化センターでは、「伊澤陽一WAIWAI STEEL BAND」「打縁琴(タヨングム)」「 少女和太鼓魅鼓KAIKO/500」「 BANA BATEKE」

など各会場で音楽が鳴り響いた。

3日の「まちなか」で一番人気を集めていたのはソラモで17:30〜開催された「世界遺産・インドネシア中部ジャワの影絵芝居ワヤン・クリ」だった。

世界音楽の祭典「世界遺産・インドネシア中部ジャワの影絵芝居ワヤン・クリ」

世界音楽の祭典「世界遺産・インドネシア中部ジャワの影絵芝居ワヤン・クリ」

インドネシ伝統のガムラン、影絵芝居、舞踊を披露した。このように他国の音楽文化を知ることができる素晴らしさもしっかり持ったイベントだ。内容も見ごたえたっぷりでとても魅力あふれるものだった。それだけにこのイベントの告知や認知度の少なさに悔しさが残る。

6日までこの「世界音楽の祭典」は開催されているが、5,6日はアクトシティ浜松 大ホールでのワールドミュージックコンサートはチケットを買わないと楽しむことができない。こちらの内容はクラシックを中心にした内容になっている。

気になる方はこちらからチェック>>

静岡市で開催している「大道芸ワールドカップin静岡」は20回を迎えるということもあるが毎回大人気なイベントだ。静岡にはテレビ局があるため各局夕方の番組ではひっきりなしに「大道芸ワールドカップ」が取り上げられている。「世界音楽の祭典」は、ほぼ皆無だろう。ネットニュース地方版やケーブルテレビ、短いニュースの中の一つくらいだろう。

浜松でも「世界音楽の祭典」は知らなくても「大道芸ワールドカップ」を知っている人、もしくは浜松から大道芸ワールドカップへ遊びに行く人の方が多いのではないだろうか……。

果たして浜松市は『音楽の街』になれるのだろうか。そしてあなたの思う『音楽の街』とはどのような街なのだろうか。

>>世界音楽の祭典オフィシャルサイト

関連記事

スポンサーリンク